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泉区薬剤師会【高齢者の不眠治療を考える】勉強会に参加しました!

泉区薬剤師会主催、月例勉強会【睡眠薬の多剤・高用量化対策を考える】東京医科大学メンタルヘルス科病棟医長 高江洲義和先生のご講演。
高齢になると、眠れる時間は減る上に、途中で起きてしまうことが増えるため、睡眠に関して何かしら悩みを抱える方は多いものです。これは加齢による生理現象のひとつであり、眠れないことを気にしすぎてしまうのが「不眠症」であるとのことです。
睡眠の質が下がることで、ストレスホルモンであるコルチゾールが上がり、血糖上昇などにもつながることもあります。
薬物療法においてはベンゾジアゼピン系の長期使用⇔依存⇔高用量使用の悪循環が問題になっています。半年程度服用した後は徐々に量を減らし、休薬するべきとのことでした。逆に、必要なときだけ服用する頓服は、ベンゾジアゼピン系は推奨されません。「一定期間しっかり飲んでゆっくりやめていく」ことが大切です。漸減法については、1ヶ月程度かけて総用量の4分の1ずつ減らして、反跳性不眠がでたら一段階戻す、という方法です。
1剤使ってだめなら、増量するのではなく認知行動療法、脳派測定等、他の手段を考慮する必要があるとのこと。
近頃、睡眠薬服用と認知症発症の関連が取り上げられていますが、これは様々な研究結果があるため現時点では「関連は否定できない」とのことです。
また、薬物療法と同じくらい重要になってくるのが「睡眠衛生指導」です。睡眠の質を上げるための生活習慣を指導していくことで、これは薬剤師の腕の見せ所ではないか、と感じました。
例えば、高齢者の好む緑茶にもカフェインが含まれるため寝る前4時間は避ける、寝酒は睡眠構造の悪化を招くため寝る目的で飲むのは止める、概日リズムの維持・強化のため寝る1~2時間前に入浴をする、昼寝は午後3時までに20分以内に抑える、等。
★まとめ★
「眠れないことを気にしすぎるのが不眠症」
途中で目覚めてしまうのも、生理現象のひとつなので気にしすぎない。例えば4時間眠れているのならば良しとしよう、という姿勢が重要です。
生活習慣の改善、そして薬の服用はあくまでも「単剤・常用量が原則」との先生のお言葉には、今まで漫然と長期使用や多剤併用されてきた現状を改善していかなければ、と改めて思いました。この分野は薬剤師にも貢献できる部分が大きいと感じました。